年末年始労働災害防止強調月間がはじまりました。
今年も年末に差し掛かり、「年末年始労働災害防止強調月間」が始まりました。
弊社としても、現場責任者への声がけや作業現場への安全パトロールを活性化し、労働災害のきっかけとなる小さな芽をひとつずつ摘み取っていきます。
労働災害とは仕事中に発生する怪我や健康被害で、現場での事故による怪我だけなく労働環境が起因となる健康問題なども含まれます。これらは、適切な安全対策や教育により予防され、事故が起きた場合には速やかな対応が求められます。労働者と企業の協力によって、持続可能な労働環境を築き、労働災害を最小限に抑えることが重要になってきます。
労働災害の起こりやすい時期
建設業界での労働災害は、8月・10月・12月・2月に特に発生しやすいといわれています。
特に12月は寒さと年末の繁忙期のためか、労働災害が起きやすい傾向にあるようです。
労働災害を防止する3つの取組み
労働災害を防止するには、適切な安全対策や労働環境の改善、実際に労働する上での知識とトレーニングが有効になります。
また、事故が発生した際には、速やかかな応急処置や医療対応が求められるため、手順などの周知徹底も必要となります。
弊社では、具体的に下記の5つの取組を行ってます。
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労働安全衛生関係法令の遵守
弊社では労働安全衛生法など関係法令を遵守し、日々の作業現場の中で「危険防止の措置」や「安全衛生管理体制の整備」「安全衛生教育の実施」などを行っています。また現場の安全パトロールにおいても、法令遵守に則した点検項目を実施し、日々の安全管理に努めています。
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適切な社内コミュニケーションの実施
人と人が働く建設現場では、円滑なコミュニケーションが欠かせません。弊社では定例会議を毎月開催し、各工事の進捗報告や様々な情報の共有とともに、社内コミュニケーション活性化を目的とした様々なプログラムを検討し実施しています。一方的な指示命令だけでなく、社員同士がお互いに認め助け合い、全員が活躍できる職場づくりを目指しています。
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自主的な安全衛生活動
労働災害のきっかけとなる小さな原因も摘み取るために、作業中に感じたヒヤリハットの事例報告と共有、危険予知活動の教育など、現場で働く社員の危険要因に対するアンテナをできるだけ高めるような取組を行っています。また、職場の整理・整頓・清潔・清掃によって事故を防ぐ4S活動や、日頃気づいたことを気軽に報告できる業務報告書の作成など、社内の情報共有を強化しています。
時代とともに進化する労働災害の防止への考え方
産業革命時代 (18世紀〜19世紀末)
産業革命時代は、労働環境が劇的に変化しました。
安全基準はほとんど存在せず、労働環境も劣悪なため、事故が頻発し、多くの労働者が負傷していた時代です。
安全法制度の確立 (20世紀初頭)
20世紀初頭になると、安全法制度が整備され始めました。職場での安全基準が設けられ、安全設備の導入や作業時間の管理など、労働災害の防止への礎となる時代です。
人権と労働安全の結びつき (20世紀後半〜21世紀初頭)
人権と労働安全の関連性に注目され、安全な労働環境は基本的な人権であるとの認識が広まりました。企業や労働者の団体が、安全に関する要求をし、労働者の権利を保護するための国際的な取り組みも進みました。
テクノロジーの進化と安全対策 (21世紀)
21世紀に入ってからはテクノロジーの進化が労働災害防止にも大きな影響を与えています。センサー技術、IoT、人工知能などが活用され、危険な作業環境でのリアルタイムなモニタリングや予防策の実施が可能になりました。
働き方改革と柔軟性 (現代)
現在では、働き方改革が進む中で、柔軟な労働環境が求められています。リモートワークやフレキシブルな労働時間の導入により、労働者のストレスや過労を軽減し、労働災害の予防に寄与することが期待されています。
今後の課題
さまざまな対策に取り組んでいく中で、今後の課題についてもいくつか浮き彫りになっています。今後は従来の取組を維持しながら、下記課題の解決に向けて新たな取組を加速していく予定です。変化し続けていく世の中の中で、藤中電設も時代に合わせて変化し続けていたい、そう考えています。
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課題その1「作業手順の明確化」
しっかりとした品質基準が定められた製造業と違い、建設業は未だに長年培った感や職人ひとりひとりの技術力に依存する世界です。様々な作業がある中で、作業手順が不明確な部分があるからこそ、事故やトラブルの原因があると考えています。全ての作業手順を明確にすることはなかなか難しいかもしれませんが、動画を活用したマニュアル作りや、定例会での作業手順の掘り起こしなどを活用して自社なりのマニュアルを作成した上で、そこに潜む危険を見つけていきたいと考えています。
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課題その2「品質(藤中標準)の明確化」
お客様に対し、安心できる品質を提供することも重要な要素のひとつです。現状の一番大きな課題として、属人化している品質基準を洗い直し、新たに再編成した工事品質基準(藤中標準)を作ることも、今後の課題としています。これについては課題1とも被りますが社員からのヒアリングを重ねて、品質保護のための適切な手順を定めていきます。
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課題その3「技術継承と新技術獲得」
建設業の課題として、労働力不足と技術継承問題は欠かせません。弊社の現状としましても世代交代に伴い労働力は不足しています。今後の事業展開も含めて社内の技術継承を加速し、柔軟に新たな技術を獲得することで現場の危険を減らすことも重要だと考えます。